近頃よく耳にする「終活(しゅうかつ)」という言葉。
その字のごとく「人生の終わりのための活動」ということですが、なんとなくは分かっていても、実際には何をするのかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、終活の全体像をご説明します。
終活とは
自分に「もしも」のことが起こった時に備え、人生の最期を自分の理想的なものとするための、事前の準備を終活といいます。
「”もしも”なんて縁起でもない」と敬遠していた時代は過ぎ、超高齢化社会や生涯未婚率が増え続ける現代では、”縁起でもない”ので最期を考えない時代から”迷惑をかけたくない”ので自分の最期にしっかり向き合う時代へ変わってきたのです。
人生の終焉に背を向けずに受け止める必要性を感じ、後悔しない人生を送るために真剣に考え・行動する「終活」ムーブメントがいま広がっています。
また、終活は最期の準備をするだけではなく、人生を振り返ることで、今とこれからをよりよく生きていくことが本来の目的であることも忘れてはいけません。
終活をはじめるきっかけ
終活をはじめる動機は人それぞれですが、圧倒的に多いのが「子供や残していく家族に負担をかけたくない」というものです。
また、未婚で子供もいない人の場合は自分の最期について考えると不安になるという方や、親の介護をきっかけに自分の最期を考えることの必要性を感じたという方もいるようです。
さまざまな理由で終活に興味を持たれる方が多い中、実際に「何をすればいいのか分からない」という方がほとんど。
今は健康でもいつどうなるか分からないのが終活世代の共通の現実です。
定年退職・還暦・古希といった「人生の節目」をタイミングと捉えて実行につなげている方が多くいらっしゃいます。
「始めよう」と思った時が最善のタイミングではないでしょうか。
終活の全体像
まずは終活をするにあたり準備の対象と項目を分けましょう。
準備の対象は大きく分けて「自分」と「家族」のこと。項目は大きく分けて以下の4つに分けられます。
【お金やモノにまつわること】
預貯金・保険・株式証券・各種カード・不動産などをはじめ、所有物や不用品の整理処分に加え、遺産分与のトラブルを防止する策として「遺言書」の作成をしましょう。
【医療や介護にまつわること】
寝たきりや認知症になった時に望むことや、病名や余命の告知、また延命治療の希望などについて、自分で判断が出来なくなった場合にどうしてほしいかをまとめましょう。
【葬儀やお墓にまつわること】
自分が望む葬儀や供養のスタイルをまとめましょう。
具体的な希望がまとまったら、見積もりや資料の取り寄せをしておくのもいいでしょう。
【自分の想いや思い出にまつわること】
アルバムや日記の整理、自分史の作成、家族旅行などの思い出づくりなど。
これまでの人生を振り返り、今の自分にとって大切なことを見つめ直しましょう。
こういったことで役に立つのが「エンディングノート」です。
エンディングノートを書くことで、心と頭の整理につながり情報を整理するのに大変便利ですので、終活の第一歩としてエンディングノートの作成からはじめるのもおすすめです。
エンディングノートについてはこちらの記事を参考にしてください↓
上記の項目を軸に考えて具体的に準備をしていきます。
終活は人生の引き継ぎに向けた総仕上げですので、気力も判断力も必要となるので早く始めるほどメリットは大きくなります。
終活に取り組むメリット
終末期の人生設計にあたり、自分の経済力の把握をすることは必須です。
また、身辺の整理は心のリフレッシュにもつながることも。
自分の万一(病気や介護、葬儀など)に備えておくことは、いざという時家族や周囲への負担を減らすことになり、死を見据えた思い出の振り返りで、家族や周囲への感謝が生まれ、今からの生活をよりよくするきっかけになることもあります。
元気なうちは自分の最期と向き合うことは難しいように思えますが、まだ必要ないと思えるうちに始めるのもいいかもしれません。