はじめてでもわかる!葬儀・香典返し完全ガイド

突然の出来事に慌てないために、仏事に関わる疑問をシーン別にまとめてみました。これが正解!の頑なさより、状況に合わせて対応できる一般的な常識人を目指そう

お札の表と裏~香典袋にお金を裏向きに入れる理由は?お札の入れ方と書き方

お札には表と裏が存在しますが、皆さんは香典を包む際にその向きに注意をしたことはありますか?

香典に関してはお札は裏向きに入れることがマナーとされており、なぜ「裏」なのか疑問に思った方も多いのではないでしょうか。

この記事ではお札の入れ方や香典袋の書き方に加え、お札の向きのなぜ?についてもご紹介してまいります。

香典袋のお札の入れ方

冒頭にも書きましたが、お札には表と裏があり顔がある方が「表」となります。

香典の場合はお札を裏向きに入れるといわれておりますので
お札の顔が袋の裏側
を向くようにして
顔が下
になるように入れます。

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上記の画像では中包みを用いた例で紹介をしておりますが、中包みのついていない香典袋の場合でも入れ方は同じです。

お金を裏向きに入れるわけとは?

お金の表には肖像が印刷されていますが、香典などを包む際に裏向きに入れることは「悲しみのあまり顔をあげれない」「不幸に顔を背ける」などの意味があります。

昨今ではお札の向きにこだわる必要はないという意見もあるようですが、お札の向きひとつにも哀悼の意を示しているのです。

またお札を裏向きにして入れることで、香典を管理する人がひと目で金額がわかるという利点もあるようです。

また、数枚のお札を包む場合は必ず向きを揃えて入れるようにしましょう。

金額の書き方

1 2 3 5 7 8 10 円 
阡 千 圓 円

金額を旧字体で書くのは、書き換えを防ぐためと言われており、香典管理の場で正確に金額を記録するためとされていますが、
「一」「二」「三」などの漢数字で書いてもかまいません。

例:五千円の場合
「伍阡圓」「五千円」
金五千円也なとど書きます。

例:一万円の場合
「壱万円」「壱萬圓」「一万円」
金壱萬円也などと書きます。

※4・9は死や苦を連想させるので避ける
※千は千でも阡でもよい
※円は円でも圓でもよい
※也はなくてもよい

横書きの場合は算用数字でよい

近頃では市販の香典袋に金額を書く欄が設けられていますが、それが横書きの場合は「金30,000也」などと算用数字で書いてもかまいません。
市販の香典袋の場合、書き方の説明がある場合は指示に従って記入しましょう。

香典袋の中身と記入した金額が合っていることが大事なので、くれぐれもお金の入れ忘れには注意をしましょう。

香典袋の書き方

香典袋には毛筆か筆ペンを用い、必ず「薄墨」で書きましょう。

49日の忌明けが済んでいたら薄墨でなくてもよいとする向きもあるようですが、「仏事=薄墨」という認識の方も多くいらっしゃいますし、昨今では薄墨タイプの筆ペンはコンビニや100均でも簡単に手に入るので薄墨で書いておくのが無難です。

文字は崩さずに丁寧に書き、ボールペンやマジックなどは使用しません。

仏教

「御霊前」「御仏前」「御香典」「御香料」など 

神式

「御霊前」「御玉串料」「御榊料」など 

キリスト教

「御花料」「お花料」「御霊前」など

仏教の場合「御霊前」は49日までの表書きで忌明けが済んだら「御仏前」と書くと言われる方もいらっしゃいますが、同じ仏教でも浄土真宗の場合は異なります。

浄土真宗では人が亡くなるとすぐに浄土に召されて仏になると考えられていますので、霊という概念はなく「御霊前」という表現を使用することはありませんので忌明け前でもすべて「御仏前」と書きましょう。

蓮の絵柄がついているものは仏教用ですのでその他の宗教では使用しません。

神道では神前に捧げるもので「仏」ではありませんので「御仏前」は使用しません。

キリスト教ではカトリックとプロテスタントで表書きが異なります。

一般的には水引のない十字架や百合の花が描かれたキリスト教用の袋を使いますが、カトリックで「御霊前」を使用する場合は白無地で黒白または銀一色の水引の香典袋を使います。

プロテスタントでは御霊は異教の偶像崇拝とされているので「御霊前」は不適切な表書きで失礼に当たるので使用しません。

どちらも共通で使用できる「御花料」としておくのが無難でしょう。

教会名の前には宗派が付いていますので式が行われる教会を事前に確認しておいてもいいでしょう。

水引の下の部分には差出人の氏名を書きます。名前は必ずフルネームで書きましょう。

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中包みには表側に金額を書き、裏側に差出人の住所や氏名を明記します。
こちらも市販の香典袋には欄が設けられていることがほとんどですのでそれに沿って書きます。

中包みがついていない・中包みを使用しない場合

最初から中包みがついていない封筒タイプや、「不幸が重なる」という連想を避けるため、あえて中包みを使用しないという場合でも、住所や金額は包みの裏側、中央より下の左側に書きます。
横書きの場合は右側に寄せてもかまいません。
遺族の方や帳場での会計がしやすいように見やすく配慮して書きましょう。

お札は新札でもよい

一昔前なら「あらかじめ用意していたみたい」だとお香典での新札の利用は避けられていましたが、最近は「古いお札のほうが用意しづらい」「きれいなお札のほうがいい」など理由は様々ですが、新札でも構わないという風潮に変化してきています。

これは、昔はATMなどがなく不幸は突然の出来事で新札の用意自体が困難であったため、新札をすぐに用意することが難しかったことから香典では「不幸を待っていたようだ」という理由からも古いお札が良いとされていました。

またお札のデザインが変わったり、世間に出回るお札もきれいなものがほとんどのためくたびれた古いお札自体を目にすることも減りました。

他にも、新札は一枚一枚がくっついていて数えづらいという理由もあったようです。

でも、新札はやはり抵抗があるという方はお札を一度半分に折り、折り目を入れてから包むといいでしょう。 わざわざクシャクシャにする必要はありません。