はじめてでもわかる!葬儀・香典返し完全ガイド

突然の出来事に慌てないために、仏事に関わる疑問をシーン別にまとめてみました。これが正解!の頑なさより、状況に合わせて対応できる一般的な常識人を目指そう

【終活】自分らしい最期を迎えるためのエンディングノート

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自分に万一のことが起こった時のために、終活の取り組みの一つとして遺族に伝えておきたい様々な事を書き留めておくのが「エンディングノート」です。

葬儀や埋葬の形式だけでなく、万が一にも病気や怪我で意識不明になったり、認知症などで正常な判断を下せなくなった場合の介護や治療費・保険など金銭に関わることなどを含め、人生の記録や自分の希望を元気なうちにしたためます。

遺族がいざという時迷わないために、なにより自分が後悔しないためにもエンディングノートを作る方が増えています。

この記事ではエンディングノート作成にあたり、いくつかのポイントをまとめてみました。

遺言とはちがうエンディングノート

エンディングノートは公的な文書ではないため、遺言書としての法的な効力はありませんが、その分形式も内容も自由に書いてかまいません。

直接は伝えづらいことでもノートに書いておけば確実に伝えることはできますし、遺された者にとっても「思い出」となり、意味のある「遺言」となるでしょう。

終活のタイミング

今は健康でもいつどうなるか分からないのが終活世代の共通の現実です。

定年退職・還暦・古希といった「人生の節目」をタイミングと捉えて実行につなげている方が多くいらっしゃいます。

エンディングノートも、取り掛かりやすい項目の一つして終活のスタートにされる方も。

「始めよう!」と思った時に取り掛かるのが最善のタイミングではないでしょうか。

記入していくことで心と頭の整理がつき、次にやりたいことや片付けておくべきことなどが明確になっていくので、エンディングノート作成からはじめることをおすすめします。 

終活に便利なエンディングノート

今や様々なタイプのエンディングノートが書店や文具店に並べられています。
もちろん、真っさらな普通の大学ノートのような、エンディングノートに特化していない物を使ってもいいでしょう。

しかし、販売されているエンディングノートの便利なところは、エンディングに必要な内容がほぼ一冊にまとめられているということ。

書き込み式になっているエンディングノートは、記入しながら多岐にわたる情報を整理するのに大変便利です。

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「終活の概要をつかめて、ウォーミングアップにつながった」という声もあるほど

エンディングノートは終活の指南役であり伴走者ともいえます。

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エンディングノート選びのポイント

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市販のエンディングノートの種類が急増しており、実際に書店などで手に取ってどれにしようか迷ったという人も多いのではないでしょうか。

選ぶポイントを押さえて自分に合った一冊を選びましょう。

1.目的と自分の関心を定める 

自分が書きたいと思う内容に見合ったものかがまず大事になってきます。
「どれでもいいや」ではなく、目的を明確にすることでノートを仕上げる気力も続くので、色々見比べて書きたい内容とボリュームで検討しましょう。

2.自分の性格にあっているか

几帳面で完璧主義な方であれば、書きたいことがより具体的に落とし込まれているノートがおすすめですが、それほど几帳面でない場合は、記入欄にゆとりがあり、シンプルなものがいいでしょう。

3.用紙の質も大切

直接書き込むので、紙質や筆記具との相性も検討に入れるとよい。

エンディングノートは買ってみたけど書いていないという人が多いので、自分に合った一冊を選んで納得のいく仕上がりにするためにも、気持ちよく書ける用紙や筆記具も、続けるためには重要になってきます。

タイプ別 選び方まとめ

自分の今後と過去がわかり、家族への想いが残せることを前提に、購入の検討材料としてポイントを整理してみました。

【手軽に書きたい方】

・値段が安い
・文例が豊富
・質問形式になっている
・記入方法の説明がある
など

【情報を伝えたい方】

・自分史ができあがる
・備忘録として使える
・記入項目が細かい
・読みものと記入欄のバランスがよい
など

【想いを伝えたい方】

・意思表示項目が具体的
・フリー記入欄が広い
・メッセージ欄がたくさんある
・写真を貼る箇所がたくさんある
など

【じっくり書きたい方】

・年表が付いていて過去を思い出すヒントになる
・関連コラムが充実している
・ノートが開きやすい
・文字が書きやすい紙質
・パソコンのCD付き
など

エンディングノートを書きはじめる前に

~付箋の活用~

「自分の想いの整理やメッセージづくりに、予想以上に時間がかかった」というのが実際にエンディングノートを書いたことがある人の感想です。

苦労の一因はいきなり書き出そうとすることにありますので、まずは書きたい要素を「付箋」に書き出すことからはじめましょう。

書きたいことを一つずつ付箋に書く→付箋を並べ替えるなどして内容を吟味する→文章に仕上げる 

この3つのステップからはじめましょう。
下書きとして付箋を使用しますが、いきなり文章にするのではなく、まずは書きたい項目をピックアップしていき、構成づくりをします。

実際にノートに文章として書く際にも、書く順番を決めておけば後で見返した時にも読みやすく、想いが伝わりやすいノートになるでしょう。

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~ベスト10方式~

想いや思い出の整理方法でおすすめなのが「ベスト10方式」です。

「今までの人生で楽しかったこと・つらかったことベスト10」
「好きな映画ベスト10」「思い出の場所ベスト10」など
一言コメントを添えてまとめます。

やみくもに思い出を書き綴っていたのではキリがありませんし、
ランキング形式にすることで本当に書き残したいことが明確になり、書いているご自身も、それを読む人も楽しく感慨深いものになるでしょう。

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エンディングノートの書き方アドバイス

ポイント 1【時間をかけて書いていく】

エンディングノート作成に締め切りはありません。
焦らずにリラックスして、じっくりと取り組んでいきましょう。

ポイント 2【緊急時に必要なことから書きはじめる】

何から書けばいいか迷った時は、

「持病・既往症(今は治っているが以前にかかったことのある病気)・常用薬の詳細」「貴重品の保管場所」
「加入保険の情報整理」
「親族・友人・知人・会社関係の連絡先」

などは優先順位を高めにして進めていくとよいでしょう。

ポイント 3【手書きにこだわる】

パソコンだと保存先が分からなかったり、操作ミスで消去してしまったりと、予期せぬアクシデントで必要な時に内容が確認出来ないということがありますし、無機質な機械文字で事務的な印象にならないためにも、書いた人を感じることができる手書きがおすすめです。

ポイント 4【何度書き直してもOK】

エンディングノートは何度書き直してもかまいません。
記入内容を更新できるように鉛筆で書き始めるのがおすすめです。

また、訂正箇所には日付の記入をしておくとよいでしょう。

記入欄が無くなったときは、別紙に書いて貼り付けてもOK。
納得のいく内容になるまでノートづくりを続けましょう。

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エンディングノートの保管と共有相手

エンディングノートのを書くメリットとして、いざという時に必要な情報がまとまっているので家族の負担軽減になるということがあげられます。

エンディングノートは法的拘束力はありませんが、家族や親族の精神面において一定の効力は期待できます。

ノートのおかげで終末期の医療処置や葬儀のやり方、遺品の処分などにまつわる揉め事を円滑に収めることができたというケースもあります。

自分の「もしも」の時に家族や身近な人に負担をかけないためのエンディングノートでもありますので、元気なうちからノートの存在を知らせて緊急事態に供えておくことが大切です。

ただし、財産情報など重要な個人情報を記した場合はエンディングノートを共有する「相手の選定」と「保管場所」には十分な配慮が必要です。

最近ではこのような状況を踏まえ、用途に応じて分冊タイプのエンディングノートも出始めました。

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エンディングノートは書く目的をはきりさせ、誰のためにどんなスタイルで作るかを考えて取り掛かることが大切です。

素直に自分の人生に向き合い、無理のないまとめ方を見つけてください。

 

【参考文献】
葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて:主婦の友社編
終活の教科書:終活カウンセラー協会監修・クラブツーリズム編
冠婚葬祭とマナーの基本事典:ザ・アール監修・成美堂出版