香典といえば葬儀の時に受け取るのが一般的ですが、後から不幸を知ったという方や、やむを得ない事情で数日、あるいは随分と日が経ってからお香典を頂くこともあります。
遅れて香典を頂いた場合はお返しや挨拶状はどのようにすればよいのでしょうか。
また、香典を差し出す側は、不幸を遅れて知った場合どのように香典を渡せばいいのでしょうか。
この記事では遅れて香典を差し出す側と受け取る側のそれぞれのマナーについてご紹介しています。
- 基本的には香典返しをする
- 葬儀を終え「忌明け前」にお香典を頂いた場合
- 葬儀を終え「忌明け後」にお香典を頂いた場合
- 遅れて頂いたお香典に対しての挨拶状文例
- 香典返しの表書きと金額の相場
- お返しは不要と言われた場合
- 訃報を遅れて知った場合
- 香典に添えるお悔やみの手紙・文例
基本的には香典返しをする
忌明け後に日を経てからお香典を頂くというケースは実は珍しいことではありません。
葬儀も経て日数が経過してから頂いたお香典へは、お香典に対しての「お礼」として香典返しを贈ります。
お供え物を頂いた場合も同様に心遣いに対してのお礼としてお返しをされるのがよいでしょう。
葬儀を終え「忌明け前」にお香典を頂いた場合
遅れてお香典を受け取った場合でも、忌明けがまだ済んでいないということであれば、四十九日の忌明けの際に、他の方と同様に香典返しをして問題ありません。
葬儀を終え「忌明け後」にお香典を頂いた場合
時期が遅れていても相手のご厚意に対してお返しは必要です。
ただ、挨拶状を添える場合、一般的な香典返しに添える挨拶状としては、葬儀への参列やお香典に対してのお礼という意味も含んだ文章になっていることが多いため、あまりに何ヶ月・一年後など日が経ちすぎている場合は、逆に相手を申し訳ない気持ちにさせてしまう可能性もあります。
また、「忌明けの法要を滞りなく行いました」という報告も兼ねた文章構成になっているものが多いため、贈るケースによってはそのまま使いづらい場合もあります。
可能であれば、文章の構成を見直したり、文面が変更できる場合は
”お香典に対してのお礼状”として、内容を改めてもよいでしょう。
遅れて頂いたお香典に対しての挨拶状文例
謹啓
この度は父○○永眠に際し過分なる御厚志を賜りご厚情の程誠に有難く厚く御礼申し上げます
故人に賜りました御厚誼に対しまして深く感謝申し上げます
早速拝眉の上親しく御礼申し上げるのが本意ではございますが書中をもってお礼方々御挨拶申し上げます
敬白
平成○年○月
田中一郎(←喪主・差出人名)
こちらの文面であれば、葬儀に参列していない方からお香典を頂いた場合でも、香典を頂いたことに対してのお礼のみ書かれた文面となっているため、このままの文章をお店に伝えて書き換えてもらってもいいでしょう。
お店によっては親身に対応してくれる場合もありますので、状況を伝えた上でどの程度融通がきくか確認してみるのもいいかもしれません。
◆
私は上記の文面での挨拶状の作成が可能だったお店に依頼して注文自体は少なっかったですが親身にお話を聞いて頂けたので大変助かりました。
参考までにその時のお店をご紹介させて頂きます。
香典返し専門店 穂乃香
挨拶状の文面作成も相談にのってもらえて校正もきちんとしてもらえるので安心です。
私は上記に書いた文面をそのままメールしましたが、ちゃんと希望通りの内容で校正を出してもらえたので助かりました。
文面を自分で考えるのは難しい・・という方はお店でも様々な文面の用意がありましたのでどういった状況で利用するかを伝えれば最適な内容で提案をしてくれると思います。
各種礼状などの文面も豊富に扱っているので少し文面を変更したいという場合や、こういうときなんて書けばいいの?という場合にも非常に便利です。
まとめ買い割引のクーポンや喪中はがきのサービスもあり、一度で必要なことがすべて整うのでかなり便利だと思います。
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謹啓(きんけい) | 手紙の始めに書く、あいさつ語。つつしんで申し上げますの意。 |
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御厚志(ご-こうし) | 情の厚い心。親切な気持ち。相手の好意などに対していう。 |
御厚情(ご-こうじょう) | あついなさけ。思いやりのある心。親切な気持ち。厚志。厚意。 |
御厚誼(ご-こうぎ) | 情があつい交際。深い親しみの気持ち。あついよしみ。 |
拝眉(はいび) | 人に会うことをへりくだっていう語。 |
敬白(けいはく) |
うやまい謹んで申し上げるの意。 |
挨拶状に句読点は使わない
挨拶状には普段の手紙と違い句読点(、。)は使いません。
句読点は文章を読みやすくするために、明治頃に学校で子供が読みやすいように用いられたとされ、句読点を使用することは相手の読解力がないと言っているのと同じと捉えられ失礼にあたるからです。
香典返しの表書きと金額の相場
遅れて頂いたお香典に対しても表書きは「志」とします。
志は弔事で使われ、宗教に関係なく用いることができる表書きです。
関西や西日本では「満中陰志」とする場合がありますが、これは仏式のみの表書きで、「満中陰」とは49日を指しますので、忌明けである49日が過ぎている場合は使わないようにしましょう。
お返しの金額についても、3分の1から半額程度が一般的ですが、一家の働き手が亡くなった場合などは3分の1程度でよいとされています。
お返しは不要と言われた場合
お香典を差し出す方の中には、遺族の方に気を遣わせるのは避けたいけど、お悔やみの気持ちは表したいと考えられる方もいらっしゃるでしょう。
まして忌明けから一年後などにお香典を差し出す場合には、知らなかったこととはいえ相手も相当な気を遣われていると考えられます。
そんな相手に、格式張った挨拶状などを添えてお香典返しをしたのでは、「今頃こんな気を遣わせてしまった・・」と申し訳なく思う方も中にはいらっしゃるかもしれません。
辞退されても基本的にはお返しは必要ですが、遺族を気遣って香典返しを辞退された方には、お香典返しとしてではなく、夏の頃なら「お中元」や「暑中見舞い」「残暑見舞い」として、冬の頃なら「お歳暮」や「寒中見舞い」などとして、礼状を添えてお返しとしてもよいでしょう。
あまり頑なになっては相手の気持ちを踏みにじることにもなりかねませんので、そこは臨機応変に相手のご厚意を汲んで判断をしましょう。
感謝の気持ちを伝える方法は お香典返し以外にもあるのです。
訃報を遅れて知った場合
不幸を遅れて知った、止む終えない事情でお香典が遅れる場合などは、不幸を知った時点ですぐに相手の都合を聞いてお悔やみに出向きましょう。
その際、「ご不幸を存ぜず失礼いたしました。お悔やみが遅れて申し訳ありません」などと知らなかった事情を話しお詫びします。
相手の都合が悪く直接お悔やみに出向けない場合は、香典にお悔やみの手紙を添えて現金書留で郵送します。
香典に添えるお悔やみの手紙・文例
お父上様のご逝去の悲報に際しまして心よりお悔やみ申し上げます。
ご不幸を存ぜず失礼いたしました。
取り急ぎ心ばかりのものを同封いたしましたので、御霊前にお供えいただければ幸いでございます。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
合掌
※忌明けが済んでいる場合は御霊前ではなく「御仏前」としましょう。
香典を郵送する場合でも表書きや中袋の記載は忘れずに
香典を現金書留で郵送する場合でも、持参する場合と同様に表書きと中袋に書く、金額や氏名、住所などは必ず書くのがマナーです。
遺族の方が後で整理する際に困らないよう、丁寧に書きましょう。
お悔やみの手紙は封筒で
親しかった人の死をいたみ、遺族を慰めるために出すものですから、必ずはがきではなく封筒で出します。
便箋と封筒はシンプルな白無地を使いましょう。
「不幸が重なる」という連想を避ける意味で、便箋は一枚におさめ、一重仕立ての封筒を使用しましょう。
香典の表書きは「御霊前」と「御仏前」に注意
49日の忌明け前は「御霊前」、忌明け後は「御仏前」となりますので注意が必要ですが、わからない場合は「御香典」などとしてもよいでしょう。
また、神式の場合は「御玉串料」、キリスト教の場合は「御花料」とします。
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