喪主側、参列者側に厳密な決まりはありませんが、一般的な服装をご紹介します。
施主(遺族)側の服装
男女ともに三回忌までは喪服が良いでしょう。それ以降は年月とともに色目を薄くしていき黒からグレー、紺などにしていきますが派手なデザインや色味は避け、地味なものを選びましょう。
施主は参列者より軽い服装にならないように気をつけましょう。
施主側が平服の場合は案内状に「平服でお越しください」と一言触れておくとよいでしょう。
参列者側の服装
色は黒で、男性であればスーツ、女性であればワンピースかスーツとされています。
この場合も三回忌くらいまでは喪服にするのがベター。
七回忌以降は、平服で構いませんが、ラフな服装は避けたほうが無難でしょう。
「平服でお越しください」と言われた際も、上記の服装であれば失礼にあたりませんし、何より供養の気持ちが一番表れた服装ともいえます。
男性の場合
スーツであればシングルで・ダブルのどちらでも構いません。
また、ネクタイや革靴のように目立ちづらいため気を抜きがちですが、靴下も黒やグレーにし、派手な柄の無いものにしましょう。
女性の場合
肌を露出する服装は避け、派手にならない装いを心がけましょう。
また、正座をした時に膝が出ないよう、丈の短いスカートは避け、膝下までのものを選びましょう。
ストッキングについては最近は通夜や葬儀の際には黒を着用しますが、法事に至っては肌色のストッキングを履く方も多く見受けられます。
しかし、カジュアルな印象のタイツや、黒でもラメなどの光沢があったり柄が入っているものはふさわしくありませんので気をつけましょう。
素足は言うまでもありませんが厳禁です。
男性でも女性でも法事に招かれたら夏でも必ずジャケットを羽織るのがマナーです。
法要後に設けられる会食の席では脱いだとしても、僧侶が読経をあげる法要の最中や墓参りの際はきちんとジャケットを羽織ることをおすすめします。
子供の場合
学校指定の制服があればそれを着用します。指定の制服がない場合は、ブレザーにズボン、またはスカートやワンピースにし、色は黒やグレー、紺など目立たない服装にします。靴も学校指定のものがあればそれで良いですが、ない場合は黒やグレーなどのスニーカーでも良しとされています。
「平服=普段着」は赤っ恥のもと
平服とは簡単にいえば普段着ということにもなりますが、かといって本当に普段着で行くと失礼になり、赤っ恥をかくハメに・・。
平服=普段着という考えはしないことから、ジーパンやTシャツなどはもってのほか。あくまでフォーマルな雰囲気を守りつつ、服装を選ぶようにしましょう。
男性の場合は、黒やグレーなど色が派手にならない地味目のスーツを選び、白のシャツに黒または暗いグレーや紺色などのネクタイを着用しましょう。
女性の場合は、スーツやワンピース、アンサンブルなどで、いずれも色は黒やグレーなど地味目の装いにしましょう。スーツの場合はパンツスーツでも良いとされてますが、ブラウスやシャツなど白は避けましょう。基本的に肌の露出の無いものを選びましょう。
身につける小物や靴も同様で、男女ともにアクセサリーの付けすぎや派手な腕時計は避け、革や毛皮など殺生を連想させるものも避けます。
冬場でコート着用の場合は家や寺など法事の席に上る前に玄関先で脱いで畳んで手に持って入りましょう。
色は黒やグレー、紺などの派手でないものにし、毛皮や革ジャンなどは避けます。
あくまで法事は、慶事でも遊びの集まりでもありませんので、控えめな装いを心がけましょう。
【参考文献】
葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて:主婦の友社編
お坊さんがイチから教える! 葬儀・法要のマナーと心がまえ―宗派ごとの違いも大胆に説明:現代の葬儀を考える僧侶の会 (監修)
冠婚葬祭とマナーの基本事典:ザ・アール監修・成美堂出版
作法が身につく しきたりがわかる 冠婚葬祭マナーの便利帖:岩下宣子 (著, 監修, 監修)