喪に服す(喪中)とは?
喪に服すとは近親者がなくなって一定の期間、死を悼み身を慎むことをいいます。
「服喪(ふくも)」や「忌服(きぶく)」といいますが、忌服の「忌」は忌中、「服」は喪中をそれぞれ表します。
忌中は故人のために祈りを捧げる期間で、一般的には四十九日法要まで、この日をもって「忌明け」となります。
喪中は故人を偲ぶ期間を言い、故人との関係にもよりますが、一般的には一年間とされていますので、一周忌法要をもって「喪明け」と考えます。
亡くなってからおよそ一年は「喪中」となり、その間の四十九日までが「忌中」となります。
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喪に服すのは何親等までか
一般的には二親等までが喪に服すとされています。
本来ですと、0親等の配偶者と一親等、つまりは親や子、または配偶者の親や子、までは1年間、二親等の祖父母や兄弟姉妹、孫(配偶者含む)は三ヶ月間喪に服すとされています。
しかし、実際には一親等・二親等共に一年間を喪中とする人が多いようです。
また、二親等まででなくても、同居の家族であれば喪に服すのが一般的です。
喪中に控えるべきこと
喪中の過ごし方にもいくつかタブーがありますので、例をご紹介します。
■正月のお祝い
喪中に正月が訪れる場合には、年賀状をはじめ、新年の祝い事を控えます。
その為、喪中はがき出し、新年の挨拶を欠くことを知らせます。
■結婚式など、祝い事への出席
こちらも正月の祝いと同じく控えるべきとされています。
しかし、喪中であっても忌明けを迎えていれば良いと意見も多く、周りと相談して決めるのが良いでしょう。
喪中でも許されること
喪中であっても特に控える必要がないとされていることは以下の通りです。
■寺への初詣
正月のお祝いは避けるべきと記載しましたが、死を穢れ(けがれ)と捉える神社と違い、寺はそういった考えがなく、神社と寺では死に対する解釈が異なることから、寺であれば喪中でも問題なく初詣はしても良いとされています。
■中元・歳暮
「喪中だから控えた方がいいのでは」と考える方も非常に多くいらっしゃいますが、中元・歳暮は贈っても良いとされています。
お祝い事は避けるべきですが、中元や歳暮に関しては、感謝やお礼としての贈りものですので、祝い事にはあたりません。
同様に、相手が喪中の場合でも贈ることはできますが、その場合は四十九日を過ぎてから贈るようにしましょう。
四十九日が過ぎると中元や歳暮の時期が終わってしまう場合は、「残暑お見舞」や「寒中見舞い」などとして贈るのが良いでしょう。
※お歳暮を贈る場合は届く期間に注意を!
お歳暮として年内に届く場合は問題ありませんが、関東では1月7日、関西では1月15日までが「松の内」となりますので、その期間に届いてしまうと「お年賀」になってしまい、これは慶事に当たり失礼となってしまいますので気をつけましょう。
無理に間に合わせようとせず、松の内が過ぎた1月中旬以降に「寒中見舞い」とされると良いでしょう。
いずれにせよ、喪中の相手に贈る場合は、紅白の水引も避け、熨斗のない、白無地の奉書紙か短冊にするのが良いでしょう。
【参考文献】
葬儀・法要・相続 マナーと手続きのすべて:主婦の友社編
お坊さんがイチから教える! 葬儀・法要のマナーと心がまえ―宗派ごとの違いも大胆に説明:現代の葬儀を考える僧侶の会 (監修)
冠婚葬祭とマナーの基本事典:ザ・アール監修・成美堂出版
作法が身につく しきたりがわかる 冠婚葬祭マナーの便利帖:岩下宣子 (著, 監修, 監修)