親族や故人の遺族から法事に招待されたら服装やお供えなどで悩まれたことはありませんか?
この記事では、法事における招待される側の一般常識についてまとめていますので少しでもお役に立てば幸いです。
法事とは?
亡くなった人を供養し僧侶にお経をあげてもらい、その後に設けられる会食などを含む一連の行事全般のことを指すのが法事です。
僧侶にお経をあげてもらうまでの行事は「法要」といいます。
★こちらに詳しくまとめています ↓
法事に招待されたら早めに出欠の返事を
法要に招待されたらやむを得ない事情でない限り出席するのがマナーとされています。
法事を営むにあたり、施主である遺族は人数分のお茶出しの用意や引き物、会食の料理の手配など様々な事前準備が必要となってきます。
特に料理やお店の手配などはある程度人数が分かっていないと予約もできませんので、法事に招待をされたらできるだけ早めに出欠の返事をすることが大切です。
欠席の場合でも必ずその旨返事をするようにします。
大切なのは「参加するのかしないのか」を明確に相手に伝えることです。
もし事情により出席できない場合は招待へのお礼と欠席へのお詫びの言葉を伝えます。
欠席する理由については「仕事で遠方に出向いているため~・・」など言い訳がましくならない程度に簡潔に伝えます。
招待される法要が重なってしまったとき
同じ日に法要が重なってしまうと言う場合は、夫婦でそれぞれの法要に手分けして参加したり、故人や遺族との血縁の近さで判断することも必要となってきます。
また故人と親しかったため親族ではないけど法要に招かれた際に自身の身内の法要と重なる場合はご自分の身内の法要を優先させ、出席できない先方へ供物を送ったり後日改めてお線香をあげに伺うなどするとよいでしょう。
第三者が代理で法要に出向く場合は事前に誰が伺うかを遺族側に伝えておきます。
★法要を営む側についても記載してます ↓
法事の服装マナー
法事での服装は年数を重ねるごとに色も黒からグレーなど薄くしていく傾向もありますが、基本的には主催者である施主の服装の格に合わせるのがよいとされています。
施主が喪服を着用しているのに参列者が平服では失礼にあたりますので、迷った場合は一般的に喪服と言われる上下黒の装いでいくのが間違いないでしょう。
特に他人の立場で法事に参加する場合は遺族・親族側など周りと服装について事前にお伺いを立てて合わせるということは難しいかと思いますので、ラフな格好で悪目立ちしてしまうくらいなら、喪服などのきちんとした装いで出向くほうが失礼にあたらず最も無難といえるでしょう。
平服でお越しくださいと言われたら
招待される際に「平服でお越しください」と伝えられていた場合でも、法要などの席では平服=普段着という感覚は恥のもとです。
あくまでフォーマルな雰囲気を守りつつ、派手な装い・ラフな格好は避けます。
この場合でも三回忌くらいまでは喪服を着用しておくのが無難ですし、七回忌以降でも喪服とまではいかなくても喪服をベースに服装を考えると良いでしょう。
喪服を着用するときは派手な靴下やアクセサリーなどは付けないように、平服でいいからと喪服着用時にはしないであろうコーディネートは避けましょう。
あくまで法要は供養の場であることを前提に服装を考えるのが基本ですので迷った際は喪服かそれに近い印象の黒の上下にしておくのが安心です。
法要に参加する際の服装についてはこちらも合わせてどうぞ ↓
法事のお供え
法事に招待されたら手ぶらではなく、供物や香典を包みます。
香典や供物は故人やその遺族との関係性でも異なりますが一般に香典なら5千円~1万円、供物の場合は3千円~5千円ほどの品をお供えとします。
故人やその遺族と血縁関係が近い場合は1万円~3万円ほどの香典を包む場合もありますので相手との関係性で判断をするか、他の親族とお供えや香典について相談して決めてもいいでしょう。
供物や香典の渡し方
法要当日に相手の家に出向いた際に「ご仏前にお供えください」と施主に挨拶とともに差し出します。
勝手に仏間に上がり込んで一言もなく置いてしまわないよう気をつけましょう。
現金の場合でも品物をお供えする場合でも必ず遺族側に一言伝えてから手渡すようにしましょう。
また、お供えの品物を入れていた紙袋や香典を包んでいた袱紗(ふくさ)はそのまま渡さずに事前に袋や袱紗から出して中身だけを手渡すようにします。
紙袋や袱紗は持ち運ぶための道具であり相手に差し出すものではありません。
お供えの品物選び
お供えを現金ではなく品物でする場合に菓子折りなどの食品を用意される方が多いと思います。
食品をお供えとする際に最適なものとしては、日持ちがする・常温保管ができる・小分け包装になっているということに配慮して選んでみてはいかがでしょうか。
お供え物は一旦は仏前に供えられしばらく消費されることがないと考えた場合に、日持ちがしなくて常温保管ができないような食品だと非常に困ります。
また、地域によってはお供え物を参列者などで分ける「お下がり」の習慣がある場合もあるので、小分け包装になっているものだと分けやすいのでおすすめです。
みかんやりんごなど故人の好物だったからと果物を供えるのもいいでしょう。
果物は日持ちしないんじゃ?と思われる方もいますが2・3日で傷んでしまうようなものではないですし、柿やりんご、みかんはお下がりにするにも分けやすいのでお供え物として筆者も頂いたことがあります。
他にも海苔の詰め合わせだったり、夏場ならジュースなど意外と幅広く品物は選べます。
ただし、なんでもいいからといって肉や魚などの生物やお酒などの嗜好品のたぐいは避けましょう。これらの品はどちらかといえば慶事を連想させる品物ですし宗教によっては四足生臭物といってタブーとされている場合があります。
のしの書き方などこちらの記事もご覧ください ↓
法事に参加できずに供物だけを送る場合
やむを得ない事情により法事を欠席する場合は、事前に法要の案内が来た際に電話などで連絡をしておくのがよいですが、それに加えて簡単なお詫びと挨拶を添えて供物を宅配で送るといいでしょう。
法要に欠席する場合のお詫び 文面
前略
この度は○○様の○回忌法要にお招きいただきありがとうございます。
さて、お招きいただきました法要の件について当日どうしても都合がつかず※1誠に申し訳ございませんが欠礼をさせていただくことをお許しください。
心ばかりのものを送らせていただきましたので※2御仏前※3にお供えいただければと存じます。
また後日改めてお伺いしお参りさせていただきたく存じます。※4
時節柄くれぐれもお体大事にお過ごしくださいませ。
草々
※1 欠席の理由として「結婚式のため~」など具体的な理由は伝えずぼかすのが原則とされています。しかし「子供が小さくご迷惑がかかる」などの相手や法要の場面を気遣っての理由であれば事前に電話などでその旨伝えても構いません。
※2 「心ばかりのもの」とは供物のことで、品物でなく現金を包んで香典を送る場合は次のように書きます。
「心ばかりの御香料を別便で送らせていただきましたので御仏前にお供えくださいますようお願い申し上げます。」
別便で送ると書くのは現金は現金書留で送らなければならないからです。
現金書留に手紙を同封するという方法の場合は別便でという箇所を省いてください。
※3 まだ忌明けを迎えていない場合は「御霊前」となります。49日の忌明け後の法要であれば「御仏前」で構いません。
また、浄土真宗の場合は四十九日の前でも一貫して「御仏前」とします。
※4 後日に訪問の予定がない場合は書きません。 こういった社交辞令はかえって失礼にあたりますので伺うと書いたならばさほど日を開けることなくお参りに伺いましょう。
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以下にご紹介する「香典返し専門店 穂乃香」さんは、商品一点の注文からでも挨拶状や礼状など様々な用途での作成を無料してくれるので品物にお詫び状を添えて送ってほしいというケースでもおすすめです。
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