葬儀の際に頂いた香典や、葬儀後に遅れて香典を頂いたら「香典返し」はいつ送るのがいいのかという「お返しの時期」についてよくご相談をいただきます。
この記事では、
「通夜・葬儀で頂いたお香典へのお返し」と「遅れて頂いたお香典へのお返し」
について熨斗(のし)の書き方やお返しに添える挨拶状についてご説明させていただきます。
香典返しとは?
ここでいう香典返しとは通夜や葬儀の際に頂いた香典(お金)へのお返しのことです。
現代では香典といえばお金が一般的ですが、古くはお米を香典としてお供えしていました。
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香典返しの時期
通夜や葬儀の際に頂いたお香典へのお返しは49日の忌明け後に先方に届けるのが一般的です。
また、葬儀後に遅れてお香典を頂いた場合でも忌明け前であれば、他の方と同様に49日の忌明け後に送る香典返しと同じタイミングでお返しされるといいでしょう。
早い方は忌明け翌日には先方に届くように準備される方もいらっしゃいますが、遅すぎず早すぎないお返しのタイミングとして一週間以内であれば良いと思います。
49日の忌明けのタイミングで香典返しを送る場合は必ず49日法要を終えてから相手に届くように準備しましょう。
繰り上げて35日を忌明けとする場合は35日の法要後を目安に送ります。
結論:
忌明け翌日から一週間の間に先方に届けばよい。
忌明け後に香典を頂いた場合
忌明け後にお香典を頂いた場合は、こちらも頂いてから一週間前後を目安にお返しすると良いでしょう。
あまり早いお返しだと待ってましたと言わんばかりの印象を与えかねませんし、突き返したようになってしまうのも避けたいですからね。
相手に気を遣わせないという点でも頂いてから3日~7日の間でお返しされるとよいでしょう。
昨今では葬儀の際に会葬礼品と一緒に香典返しもお渡しする「即返し」をされることもあるようですが、予想より多くお香典を頂いていた場合などに改めてのお返しが必要になったり、忌明けを終えたら礼状となる挨拶状を出したりと当日に香典返しを済ませたからといってそれで終わりではないので、私個人の意見としては忌明けが済んで落ち着いた頃に、葬儀の際のお礼と忌明けを無事に終えたことの報告を兼ねたお香典返しをされることをおすすめします。
こういった状況ではお祝い事とは違い心身ともに疲れが出てしまいますので一度で済ませられるならそうすることをおすすめしますし、予測できない不幸の場で用意周到に香典返しまで準備されている葬儀には違和感を覚えます。
香典返しが遅れた場合
葬儀から忌明けまでは目まぐるしく時が経つもので、バタバタとしているうちに香典返しのタイミングが遅れることも。
忌明けやお香典を頂いてから2週間、3週間と日が経ってしまったという場合は、香典返しに添える挨拶状に、
「何かと取り込んでおりましてご挨拶が遅れましたこと深くお詫び申し上げます」
などの一言を添えられてもいいでしょう。
忌明けの頃は心身ともに疲れが出る頃でもありますのでどうぞ焦らずに準備をすすめてください。
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香典返し熨斗(のし)の書き方
香典返しの表書きでは宗教によっても様々な書き方がありますが、何と書けばいいか分からないという場合は「志」(こころざし)とされることをおすすめします。
志は宗教関係なく、仏事のお返しで用いることができるので志にしておけばまず間違いはありません。
のし上(水引上部)
志 | 宗教問わず全般に用いられるもっとも一般的な表書き |
---|---|
満中陰志 | 仏式の表書きで、主に西日本を中心に用いられる |
忌明志 | 名古屋など地域性の強い表書き |
偲び草(偲草) | 神式などで用いられる表書き |
召天記念 | キリスト教(プロテスタント)で用いられる表書き |
昇天記念 | キリスト教(カトリック)で用いられる表書き |
感謝 | キリスト教で用いられる表書き |
のし上の表書きは、喪家の宗教に合わせます。
香典を差し出す場合は自分が仏教でも、キリスト教式の葬儀に出向くならば「御花料」などと相手の宗教に合わせて書きますが、香典返しは喪家の宗教に合わせて書きます。間違っても香典返しを渡す相手の宗教に合わせて書いてしまうことのないように注意しましょう。
のし下(水引下部)
苗字のみ | 喪家の姓のみを入れる場合がほとんど |
---|---|
●●家 | 喪家の姓に家と付け 例:「田中家」としてもよい |
喪家とは不幸があった家のことで、亡くなられた方、もしくは喪主の家となります。
例えば、亡くなった父親の姓が田中の場合は、のし下には「田中(家)」と入れます。
喪主を務めるのが嫁いだ娘の佐藤であっても、田中家のお香典返しとなるわけですから、のし下は「田中(家)」とします。
書く位置は、水引下部中央にのし上よりやや小さめに書きましょう。
文字は薄墨で書く
のし上・のし下共に毛筆(筆ペン)の薄墨で丁寧に崩さず書きましょう。
昨今では忌明け後に贈る香典返しは薄墨でなくてもよいという意見もありますが、
もし仏事=薄墨という認識の方がいらっしゃった場合でも、薄墨で書いておけば安心です。
お店で印刷して貰う場合でも薄墨でお願いするとよいでしょう。
水引の色
黒白や紺白などが一般的ですが、関西地方では黄白の水引を用いる場合がほとんどです。
私は関西在住ですが、仏事なら香典袋以外はすべて水引は「黄白」が当たり前ですが、紺白を用いても「失礼だ!」「間違ってる!」というようなことには一切なりません。
ただ黒白だけは葬儀の香典袋以外であまり見かけたことはありません。
また、亡くなってからの年数で水引の色を変える場合もあり、主に関東地方では一周忌までは黒白を使い、三回忌以降は徐々に色を薄くするという意味で黄白を用いるとされています。
このように水引の色は地域性や宗教などに左右される場合も多いので「これが正解」という明確なものはないと思って頂いていいでしょう。
水引は、
仏事用であれば問題なし。不安な場合は地域のお店に尋ねるか葬儀社に確認を。
地域の百貨店や香典返しを購入するお店がメインで用意しているものにしておくのがベター。
相手へ差し出すお供えの場合は相手の地域性も考慮して水引を選べるといいですが、お香典返しの場合は、関西の方が関東の方に贈る場合やその逆でも、相手の地域に合わせる必要はありません。
挨拶状は必要?
本来は喪主が直接先方に出向き、お礼を述べていましたが昨今では香典返しを宅配で送ることが一般化してきたこともあり、直接お礼を述べる代わりに挨拶状を添えることが当たり前になってきました。
もちろんお返しの品物だけを送っても構いませんが、葬儀への参列や香典に対してのお礼、さらには忌明けを無事に終えたことの報告も兼ねて挨拶状を添えることは故人に成り代わってお礼を述べるという意味でもとてもいいことだと思います。
受け取った相手も挨拶状を見て「ご遺族は少しは落ち着かれたかな」と安堵されることでしょう。
挨拶状の作成
挨拶状の多くは普段使い慣れない言葉が用いられてたりと、手紙を書き慣れている方でも自作するのが難しいと言われています。
ですから挨拶状は香典返しを購入するお店に注文の際に依頼するのが一番簡単で確かな方法だと思いますし、そのまま品物に添えて発送してもらえるので面倒がないのも大きなメリットです。
お店に依頼する場合は、印刷前の段階できちんと文面の校正を出してくれるところでお願いしましょう。
校正するのは当たり前のようですが実は「知らない間に出来上がってた」ということも珍しくありません。
戒名や法名を明記する場合などは特に気をつけたいところです。
校正をきちんと出してくれるお店だと、こちらが間違って漢字などを伝えていたという場合でも修正が可能なので、万一を考えて確認作業をしっかりとしてくれるお店を選びましょう。
◆
以下にご紹介するお店は「香典返し専門店 穂乃香(ほのか)」さん。
挨拶状は商品を購入すれば一店からでも無料で作成してくれるので、遅れて香典を頂いた場合の少額の追加注文が必要になっても安心ですし、文面の校正はもちろんのこと、お見舞いへのお礼も書き添えたり、香典返しが遅れた場合の文面にも対応してくれていますので状況に応じて内容を変更してくれます。
私も以前に香典返しを購入したことがあったのですが、挨拶状の文面を変えたいと思いメールで問い合わせをしたところ、文章の提案をすぐさまいただき細かい修正にも親身に相談にのっていただいたので非常に助かりました。
電話対応の感じもよく安心してお任せできました。
メールのレスポンスも早かったので、わからないことがあれば一度メールで問い合わせだけしてみてもいいかもしれません。